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> 何が問題だったのか?
 桃花台線問題で考えなければならない問題は、愛知県が様々な提案があったのにも関わらず、IMTSを無理に取り入れたため、結局開発待ちになってしまい、廃止に追い込まれた、という事情もある。

 ただ、それだけだろうか?
 まず、建設自体に問題があるのではないか?という意見がよく聞かれる。

 確かに、計画が昭和40年代、建設が昭和5〜60年代、営業が平成年間だから、確かにその間に見直しが可能、との意見が多い。名古屋大学の森川教授あたりがそうだろうか。

 ただ、よく考えないと行けないことがある。第二次ベビーブームの中計画が進み、今までのバブル期の好調期に建設されているため、他の施設同様「普通」に甘いところがあったにすぎない。そこに教授の見方の「甘さ」があるようにしか思えない。これは「バブル期の問題」と照らして検証すべき問題だろう。

 また、先に建設したはいいが、名古屋側の問題があった、すなわち、名鉄小牧線側の整備が悪いために利用されずに終わった、との意見もあるが、本来ならば、建設と同時に「名鉄小牧線利用促進委員会」等をつくって名古屋市や豊山町、春日井市、犬山市など、同じ利害をもつ自治体と手を組むことも十二分に可能だった。更に、地下鉄の建設計画が平安通以北に関しては影響がないため、暫定で建設する手法もとっても良かった気もするのだ。更にいえば、バスに関しても、名鉄小牧線利用者に対して一定の手当を出すなどの処置も考えるべきだったのは間違いない。その点は、県や小牧市の政策の「甘さ」である。

 本来ならば、乗車人員の減少に伴って路線の収支バランスが悪化し、それ故、存廃問題が生じる。しかし、今回の桃花台線はそうではない。存廃問題より先に経営の甘さがあったことは事実である。

 開通から毎年2000人/kmペースの利用者。上飯田連絡線が開通した数年前でも3千人前後。本来ならば1万人いってもおかしくなかった・・・・・・。ということは確かに県の見通しの甘さがあったにしても、それ以上に県の経営姿勢の甘さが露呈したと言わざるを得ない。

 すなわち、今回の「廃線」は従来の「不採算」故の廃止ではなくて、「経営手法の未熟」によるものであり、それ故、ほかの存廃問題よりも非常にたちの悪いものになっている、ということだ。

 しかも、もうすぐヤバいことになる、ということが分かっていながら、何も手を打ってこなかった、ということである。「桃花台線を考える会」なるものが1年前に県の諮問機関で設置されたようだが、積立金が底を尽きることは分かっていたら、5〜6年前から実施すべきだった。

 そういう意味では、神田愛知県知事の「苦汁」の決断は何の意味を持たない、言葉のみが自分の世界に入っているのと変わらないのである。

 すなわち、「自然事情に影響を受けた廃止」ではなく、「人為的な失敗が連鎖して生じた倒産・廃止」であるということが名鉄600vにも若干似ている部分があるようにも思える。

 ただ、名鉄600vと決定的に違うところがある。

 それは「運営」の違いである。

 名鉄600v、名鉄三河線の一部等といったまさに「名鉄」すなわち私鉄(民鉄)の運営だが、桃花台線は「県や小牧市を中心に民間各社が出資した第三セクター」という点である。

 この違いこそが県の「責任」を重くしていることは間違いない。

 しかし、その肝心の「県」の対応があまりに「軽すぎる」のだ。

 そこが桃花台線を深刻な状況に追いつめた最大の「要因」だろうと私は見ている。

(続く)
by peachliner | 2006-03-31 19:13
今年9月に廃止になる桃花台線について、今後の使い方や様々な人の見方を検証するブログです
by peachliner
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